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住まいのコラム

老朽マンションのリノベーションをしやすくする要件緩和をご存知ですか?

2023年01月27日

さいたま市での不動産の売却・購入から居住後のアフターケア・リフォームまでワンストップのくさの工務店です。

■2041年には築40年以上のマンションが425万戸になる見込みをご存知ですか?

政府は分譲型の老朽マンションのリノベーション(大規模改修)をしやすくする事を計画中です。個人が専有する部分を含む改修は現在「所有者全員」の同意が必要となりますが、「5分の4以下」にする案を軸に検討しています。2024年度にも区分所有法を改正し、安全性を高めて寿命を延ばし、安価な物件の供給を後押しする狙いがあります。

国土交通省の推計によると2021年末のマンション686万戸のうち築40年以上は116万戸あります。その数が2041年には425万戸になる見込みとなっています。ある年にまとまっての解体等を行う事は稀である為、この20年で急増する事が判ります。1970年代の高度成長期に多く建設され、古い耐震基準のものもあります。記憶にある事として、東日本大震災では旧耐震マンションに影響も発生したため、倒壊の危険性があり売却も難しくなるため対策が急務になっています。

■そもそもマンションを再生させる方法には3つの手法がある!

マンションの建物を新しくする手法には主に(1)建物を解体して新しく建て直す「建て替え」(2)骨格を変えず内外装や設備、間取りなどを変える「リノベーション(大規模改修)」、(3)敷地を含めて売却し所有者に資金を分配して「再生」の3つの方法があります。

いずれも所有者らで構成する管理組合で決定し、所有者は長期居住の高齢者から投資家まで様々で、所有目的も異なります。また、タワーマンション等では下層と上層に住む方の収入の違いなどで、合意形成が取りにくいマンションも存在します。建て替えや大規模改修は資金が必要で、追加負担なしに住み続けたい高齢者らは慎重に判断する傾向があるようです。

■老朽マンションのリノベーションは今後、進めやすくなるのか?

政府は既に建て替えの同意の要件は現行の「5分の4」から「4分の3」などに下げる案を提示済みとなり、さらにリノベーションの要件も緩和する方向です。建て替えの要件にあわせて「4分の3」にする案も出ています。

エレベーターや廊下、外壁などの共用部分だけの修繕なら要件は「過半数」または「4分の3」の合意となりますが、個人が所有する専有部分を含める大規模改修は「全員」の合意が必要となります。

また今後、増え続けると予想されている「空室」問題もあります。「空室」の場合は所有者を探さなくてはならず、本人死亡時は相続人から連絡を取り、相続人が複数いる場合はさらに合意が取りにくくなります。

共用部分に関しては、所有者が毎月一定額を払って資金をためる「修繕積立金」を設定する例が多いのですが、リノベーション(大規模改修)のために積立金を設定する例は要件が厳しいため現状はそこまで積立金を考慮しているマンションはあまりありません。

建物の骨格を残すリノベーション(大規模改修)は建て替えより金額を抑えられ、CO2の排出問題においても安心できます。建て替えの場合、所有者1世帯の平均負担は2012~16年の調査で1100万円ほどだったようです。しかし、要件の厳しさや資金の問題で、全国の建て替え件数は国交省の把握できている2021年度は7件しかなかったようです。

建築技術が高度化し、いまは大規模改修でも必要な耐震性を確保できたり、所有者が決断しやすい仕組みに変えることで老朽マンション対策の核に据える狙いもあるようです。いずれにせよ、老朽マンションをそのままにする事で、街がゴーストタウン化してしまう事は避けなければなりません。

「要件の緩和だけでは不十分」との指摘もあり、その多くの理由は「資金問題」です。国交省によると共用部分のための修繕積立金ですら、計画通りに積み立てないマンションが全体の35%に上っているようです。また、昨今は資材の高騰で、適切な積立金を用意していても、いざ改修を行なおうと思うと、資金不足に陥るケースもあるようです。

要件が緩和されても資金がなければ改修の合意は得られない為、補助金や税制優遇などの支援も必要になってきます。法改正のタイミングで予算や税制で対策を検討すべきだとの声もあるようなので、今後の発表に注目をしていきたいと思います。

今後の参考にお役立て下さい。

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