中古住宅で必要なリフォームと費用の目安

 

実際に必要なリフォーム工事は物件の状況によって異なりますが、築年数ごとに一般的に必要なリフォーム工事や費用の目安をみていきましょう。

築5年未満の住宅では、ハウスクリーニング程度で済むことが多く、和室がある場合には畳の表替えで3万円ほど掛かります。クロスの汚れが気になる場合には、張り替え費用は1部屋で10万円ほどです。

築10年では、クロスを全面張り替えるケースが多く、100㎡の住宅で50万円程度が目安です。築10~15年の住宅になると、外壁やスレート屋根の塗装に100万円程度掛かります。

築15年を過ぎると水回りの設備の交換が必要になってきます。給湯器は設置から15年ほどが寿命の目安で、交換費用は20万円ほどです。築15年~20年でユニットバスの交換に80万円~100万円、洗面台の交換に10万円程度掛かります。築20年~25年ではキッチンの交換で60万円~100万円、トイレの交換で10万円ほどを要します。

フローリングの張替えは、築25年を目安に

水回りの設備は、他人が使っていたものを使用することに抵抗がある人も多く、中古住宅の購入によるリフォームでは、築年数や状態に関わらず、一新することも少なくありません。また、キッチンやユニットバス・トイレなどは商品のグレードによる価格の幅が大きいです。


築25年ほどを経過すると、フローリングの張り替え工事が必要となり、12畳のリビングダイニングで20万円程度が目安です。

1981年6月以前に耐震基準の確認申請が下りた住宅では、現行の耐震基準を満たしていないことが多く、耐震補強工事に150万円ほど掛かりますが、自治体の補助を受けられる場合もあります。2003年7月以降に着工した建物には、24時間換気が義務化されており、断熱リフォームで気密性を高めた住宅では、導入が望ましいです。築年数の経過した物件では、躯体の状態によっては補強工事が必要となり、1,000万円ほどの費用が掛かることもあります。

 

中古住宅の購入で失敗しないリフォームのポイント

 


中古住宅は売主の居住状況や、適切な時期に必要なメンテナンスが行われてきたかどうかによって、同じ築年数であってもリフォームを必要とする箇所に違いが出ます。中古住宅を購入してリフォームする場合には、物件選びが大切です。

中古住宅の購入にあたっては、不動産会社にこれまでの修繕の状況を確認するとともに、外壁や室内の見える部分だけではなく、屋根や床下をチェックしておくことが必要です。しかし、素人が判断するのは難しいので、建築士やホームインスペクターなどの専門家に購入を検討している中古住宅の内覧の同行を依頼するとよいでしょう。ホームインスペクション(住宅診断)を専門に扱う会社もあります。

また、間取りの変更を伴うリフォームを希望している場合、壁や柱の撤去が構造によってはできないこともあります。増改築にあたっては、建築基準法上は、確認申請の必要がない規模であっても、住まいの構造に関わることなので、設計事務所や建築士の在籍するリフォーム会社への依頼が望ましいです。

 

リフォームで家族に合った住まいを手に入れよう

 

修繕を目的としたリフォームのほかに、大規模な工事によって、新築の状態よりも性能を向上させて付加価値をつける、「リノベーション」という手段もあります。構造上の制約はありますが、リフォームやリノベーションによって、家族にとって住みやすいように間取りを変更したり、設備を交換したりすることも可能です。注文住宅を建てるのと同様に、中古住宅を購入してのリフォームでも、家族のライフスタイルに合わせた暮らしを実現できます。

リフォーム会社によって、一級建築士事務所登録や建設業許可の有無といった許認可関係の取得状況や、得意とするリフォーム工事の内容、リフォームプランの提案力などはさまざまです。見積金額だけで依頼先を決めると、思い描いていたようなリフォームが叶わないこともあります。リフォーム工事の難易度や内容・予算などに合わせて、経験や実績をもとに判断し、適切なリフォーム会社へ依頼するようにしましょう。